【戸山高校・卒業30周年ホームカミングの記録⑤

30年ぶりに、同級生の洋服店へ】

城北会の懇親総会を少し早めに切り上げ、幹事仲間と向かったのは、梅ヶ丘にある同級生の洋服店でした。

一緒に行った二人は、卒業式の日にその店でスーツを作っていたそうです。それから30年。今回、もう一度そこでスーツを作り、ホームカミングや同期会に着て行こうという話になりました。

スーツを作るだけではありません。店を営む同級生とはしばらく連絡がついていなかったので、会いに行って、また連絡を取れるようにしたい。高校時代の二人は、その同級生によく無理難題を言い出してはそれに悪ノリしたりして、すこーし申し訳なさそうな記憶もあって、それも伝えたくて、当時のことも含めて話したいという気持ちがありました。

僕もその同級生とは仲がよく、家によく遊びに行っていました。食中毒で具合を悪くしたとき、救急車を呼んで付き添いをしてくれたのは、そのお母さんだったと思います。それがきっかけかもしれない、八丈島にいる僕の母とその家のお母さんは、手紙や贈り物を送り合う間柄でした。

店に着いて、まずは今の店主である弟さんに挨拶をしました。昔の話をしているうちに、弟さんが僕の顔と名前を覚えていてくれたことがわかり、びっくり。30年以上会っていなかったのに、名前まで一致しているとは思わなかった。

店はモッズスーツで知られていて、ミュージシャンや芸人さんが作りに来ることもあるそうです。店内にはあの真っ赤なスーツもあり、芸能関係の衣装も手がけている。先代のころより注文が増えているという話も聞きました。数日してとある幹事がみつけたのは、スーツのチャンネルで話をする現店主でした。

二人は生地や色を選び、サイズを測ってスーツを注文。同級生本人はホームカミングには参加できなかったけれど、アンケートやオープンチャットで連絡がつくようになりました。次に集まる機会があれば、声をかけやすい。再会はその日だけで終わらず、次のつながりにもなっていきます。

そのあと、集客を手伝ってくれていた別のクラスメートも合流しました。電話やLINEではやりとりしていたけれど、対面で会うのはほぼ30年ぶり。4人で飲んだり食べたりしながら、昔話をしました。

さらにその夜は、近くに住むもう一人のクラスメートにも連絡して、下北沢で合流。カラオケに行って、久しぶりの再会を楽しみました。帰りにその人を送り届けたあと、泊まる場所は決まっていなかったのですが、さっき一緒にいたクラスメートが「うちに泊まっていきなよ」と声をかけてくれました。

そこからまた歩いて、家に着いたのは夜中の2時か3時ごろ。翌朝はゆっくり起きて、コーヒーを飲みながら朝ごはん。高校生と大学生のお子さんたちも一緒で、アルバムを見せてもらいながら、また昔話をしました。

懇親総会に行ったことで、30年ぶりの再会がいくつも生まれた。スーツを作ることも、昔のことを話すことも、次に連絡を取り合うきっかけになる。人に会いに行くと、そこからまた別の人へつながっていくんだなと思いました。