私塾界リーダーズフォーラム2015:パネルディスカッション

沖山教育研究所

私塾界リーダーズフォーラム2015
詳細3つめです。

記録の正確・不正確は保証しません(笑)。
メモを見ながら、
面白いと思ったもの、興味関心の沸いたこと、
羅列していきます。

パネルディスカッションのテーマはこちら。

ICTがつなぐ学校と塾と家庭〔導入篇・未来予測篇〕
あと5年でやってくる2020年。
それまでにICTの利活用はどこまで進んでいるのか。
1人に1台タブレットは配布されるのか。
学校と塾と家庭が共通の学習プラットフォームで結ばれるのか。
アクティブ・ラーニングが全ての教育現場で導入されているのか。
識者の皆さまに予測していただきます。

モデレーター 為田 裕行氏 フューチャー・インスティテュート 取締役
パネリスト 豊嶋 基暢氏 文部科学省 生涯学習政策局 情報教育課
パネリスト 加藤 泰久氏 NTTサービスエボリューション研究所 主幹研究員
パネリスト 代田 昭久氏 武雄市 教育監 兼 武内小学校 校長
パネリスト 大橋 清貫氏 三田国際学園 学園長
パネリスト 北川 雅洋氏 アネムホールディングス 常務取締役

・三田国際大橋学園長

いまの中2生は22人、
今年の新入生は220人いる

>これって、V字回復ですよね…。
 後で仰っていたことですが、
 「塾も学校も、集めて教えて喜ばせてナンボ」
 という意味では同じ。
 まず、集めないといけない。
 公立と決定的に異なる点。

戸板から三田国際まで、
今年で3年目になるが、
一昨年の説明会では、
2名(2家庭)だけだった。

それが昨年は、
会場が2回転することもあった。

>10月の説明会に行きましたが、
 確かにかなりの人が参加してましたね。

学校も塾も、経営。
サービス業として、
お客様の望むサービスをして初めて
対価を得られる。

>でも、公立はもちろん、
 私立であっても、
 こういった感覚のないところはたくさんあります。
 醸成するまでにも時間がかかります。

 トークセッション2で紹介した、
 AICなんて、12年前ですよ…。

 ほんとにヤバい学校だらけですよね、
 実際…。

これからの時代、
正解のない時代に正解を求めていく世代に対して、
学校や教師ができることは、
モチベイションアップしかないのかもしれない。
それは塾も同じ。

なぜ三田国際が舵を大きく切り替えたかというと、
普通に大学合格実績で、
GMARCH何人とやっていても、
太刀打ちできない学校がたくさんある。

だから同じ土俵に乗らないで、
今後の時代に合う教育ができないかと考えた結果、
国際化の方向に舵を切った。

本来、
そういう方向性に共感してくれる、
イノベイターやアダプターとなってくれる保護者は、
15%ほどしかいない。

でもその層を狙わないと、
学校経営も、
子どもたちの将来も
安泰ではなくなる危機感があった。

学校案内・パンフレットは、
表紙入れ替えてしまえば、
どの学校か正直わからないくらい、
みな同じようなことを書き、謳っている。

それでは生き残れない。

>すこぶる正しい感性ですよね。
 やはり気合いの入った方は
 考えることが違う。

 親が革新的な学校を積極的に探しているか、
 学校のやることに賛同し、ついてきてくれなければ、
 生徒が集まりませんし、
 どんなにいいものでも実施できません。

 でもあえてそうした
 少数派を狙っていくあたりが、
 普通の塾・学校業界の人ではないと感じましたね。

 未だに「特進クラス」、
 とかって謳ってる学校だらけですからね…。

だから授業中は、
答えのない問題(トリガー)を、
教師陣は考え抜いて与えている。

・NTT東の加藤主幹研究員

20年前からICT研究に取り組む。

当時はマルティメディア、
といわれていたころ。

その頃に慶應の小中校とNYの8校をつないで、
いまでいうICT実験をやっていた。

ただ、
その環境があって初めてできることだった。
ネット利用率が2%ほど、
パソコンも20%くらいしか家庭にない時代。

いまはインフラがおいついてきたこと、
スマホやタブレットが普及したことで、
ICTに適している時代になった。

ICTは、
アナログのコミュニケイションを増やすためのもの。
ICTによって、
デジタル化が進むのではない。

人対人の時間を増やすことが本来の目的。

>ICTと聞くと、
 なんだかみんなが画面に向かって無言になる、
 というイメージも抱いてしまいますね確かに。

・アネムホールディングス北川常務

自前で2回、
外と組んで2回、
計4回も億単位のお金をとばすほど、
ICTには取り組んできている。

約25年前から。

どうやってICTを取り込むか。
血や肉や筋肉とするか。

受験サプリでは、
上智志望の男子生徒に、
ミス上智が声をかけてくれる。
東大志望なら東大生が。

こんなことを、
大資本であるリクルートが、
塾業界でやってしまったら、
私たちはひねりつぶされる。

塾は何をするのか。
塾は存在する必要があるのか。

ICTを取り入れるのか入れないのか、
どう将来に備えるのか。

いまこそ、
また老体に鞭うってでもwww、
ファウンダーが引っ張る時!

>気合い入ってましたねぇ。

集団指導よりも、
ウチの子だけ見てほしいという親の期待を受けて、
個別指導は成長してきたが、

それは幻想なのかもしれない、
と20年経って親は思い始めている。

ミス上智ではないかもしれないが、
ウチの子どもをみてくれている、
こんな風に接してくれている、
というところは、
塾にしかできないことかもしれない。

>ICTとアナログの攻防、
 合格実績だけではない、
 アナログな対応の普遍的な重要性、
 いろいろ思いを巡らせながら
 発現されてました。

・豊嶋情報教育課長

ICT、
といっている間は
ICTではない。

意識してタブレットを使う、
のではなくて、
勝手に使ってる、
授業や指導に組み込まれているもの
でないといけない。

構えてやるものではない。
そうならないといけない。

2010年から、
教育情報課のHP上で、
全国の学校で行われている、
ICT利用授業の映像を公開している。
去年からは、
よい例だけでなく、
「ちょっとこれじゃ…」
という例も公開している。

ICTが充実すると、
基礎知識の習得がより大事になるかもしれない。

どれだけ反転授業が進んでも、
予習段階で知識が足りないことは、
ICTでも解決できない。

>これに対しては、
 これからは、
 プリントスパルタ塾が流行るかもしれない!?
 と北川常務の発言があり、
 納得しました。

デジタルネイティブの世代だから、
ICTを使いこなせるわけではない。

横軸の情報をつなぎ合わせながら
正解を導いていく力は、
ICTだけではできない。

デジタルイミグラントと呼ばれる、
40代50代のアナログな力こそ
役に立つ時代が
くるかもしれない。

アナログの、
人と人とのやりとり、
コミュニケイションはなくならない。

むしろICTによって、
重要性を増すことになるかもしれない。

・代田武雄市教育監

従来の指導方法では、
最も大事な協働、
という時間がとれなくなる。

できる子できない子が、
フタコブラクダの分布をするから。

それを、
スマイル学習にすることで、
45分の授業時間をほとんど、
協働の時間に変えたい。

>武雄市では、
 反転学習、という言葉は禁句だそうですw

新聞などで取り上げられた時も、
反転学習とあったら、指摘して、
スマイル学習と変えるようにしている。

理由は、
反転というと、
「学校の教師は学校で何も教えないのか!?」
という批判につながったという経緯があるから。

>確かに、
 学校で、知識の習得をしていた世代からすると、
 家で、先に習得してから学校に行くとなると、
 じゃ、先生は何しとるんじゃ!!
 となりそうですね…

説明会をやるとなぜか、
高齢者がたくさん参加して話を聞きつつ、
「そりゃいかん!」と
疑問・質問をぶつけられることが多かった。

授業に、学校に、
ワクワクしながら来させたい!
また問題解けない、宿題やってない、
などと考えながら登校させたくない!

公立の先生が変わるきっかけは、
子どもたちの反応や様子が変わること。

>こだわりが強かったり、
 なかなか伝わらないようなことも、
 子どもの様子次第で、
 180度変わってくれる先生も多いそうです。

※2時間に渡り内容も多岐だったので、
 パネリストごとの発言をまとめました。

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