子の受験、パパの出番:勉強を指導、説明会にも参加・・・

沖山教育研究所

日経10月8日夕刊

・「入った学校で一生の仲間ができた。
 息子にも同じ喜びを味わってもらいたい」
 という理由で中学受験を勧めた阿部さんは、
 小6の夏、
 集中力改善のため、
 「30分学習セット」という勉強法を編み出した。
 
 25分間は何があっても
 机から離れず勉強する。
 その後5分の加えた30分を1セットとし、
 集中する癖をつけさせた。
 阿部さんはつきっきり。
 
一時期は1日20セット(10時間)をこなした。

・子の中学受験期に勉強をみる父親の割合は
 57%、高校受験でも37%。

・サピックスによると、
 10年前は保護者会に来る父親は
 ほぼ皆無だったが、
 現在は3割ほどの家庭が
 夫婦で来る。

・ティップネス川崎店で
 日曜開講のベビースイミングは、
 参加する親の7割強が
 父親。

・子どもの習い事の送迎をする父親は
 13%、
 小学校低学年に限ると
 23%にのぼる。

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娘と桜蔭受験を目指したお父さんの
「下剋上」も話題ですが、
最近、
父親の育児・教育参加が
よく話題になります。

「受験を考える前は、
妻とこんなに深く娘のことで話し合ったことが
なかった」

子育て観をぶつけあい、
すり合わせる作業を続け、
妻の育児への喜びや悩みを聞くことも増えて、
「夫婦の絆も強まった」
というように、
よい面ももちろんあります。

が、

私は
父親の教育参加は、
特に勉強・指導参加については、
かなり「???」です。

うまくいっている家庭の方が
少ないように思います。

普段忙しい父親が
日曜のスイミングに参加するのは
それほど抵抗ありません。

ただ、学習、
特に中学受験はこじれることの方が
多いです。

理由は、
以下のような点にあります。

・結果・成果を求め過ぎます。
・エクセルで計画表をつくります。
・自分の解き方・やり方で教えてしまいます。
・教えている自分の自己満足になりがちです。
・指導が仕事になります。
・感情が抜きです。
・母親を軽視します。
・時に仕事などで、定期的に見続けることができません。

この記事の阿部さんでいうと
結局、1日10時間も勉強させています。

自身の考えた学習法を子どもに強いています。
このあたりが疑問です。

距離感のある指導ができる父親であればいいのですが、
力が入るのです。

それが親なのです。

私は母親でさえも
指導にはからまない方がいいと思っています。

唯一、
4つの条件が揃う母親だけ、
ありかなと思っています。

・お子さんが一人っ子で、
・お母さんは専業主婦、
・お母さん自身が中学受験の経験がある、またはその指導経験がある、
・そして、少し冷たい母親である

です。

冷たいというのは、
自分の子どもを、彼とか、彼女、あの人、
と呼ぶようなイメージです。

いい意味でいうと、
感情を込めず、
客観的、
ということです。

3つめまではたくさんいらっしゃるのですが、
4つめが特に難しく、
なかなか4つ揃うお母さまも多くありません。

父親の場合は、
そもそも普通は仕事があって、
定期的にみれない、みなくなる、
一時期だけやる気出して手を出すだけ、
になりがちです。

この手の成功談は、
よく考えると「そりゃ無理だ、普通の家庭には」
というからくりがたくさんあります。

真似てはいけません。

親は
本人のやる気を引き出すことだけ考えて、
第三者の手を借りるべきです。

私の場合、
1日10時間も親が指導しないといけないような子は、
受験を辞めさせます。

そんな子が中学にいって、
モチベイション高
く将来を見据えるようになるとは
思えないからです。

成長・発達段階は全員異なります。

親が良い経験をしたからといって、
子も同じような経験ができるとも限りません。

しかも
大学改革実行プランを初めとして、
戦後最大の変化が起きる学校制度の中にあれば
なおさら、
もっと違う時間とお金の使い方を考えることも
必要ではないか、
と2年前からずっと思い続けています。

もちろん、
うまくいって、
結果もでて、
親子関係が崩れず、
いい学校生活ができる子・家庭もありますから、
全面的な否定ではないことを記しておきます。

実感として、
そんな家庭は少なく、
そうなった要因は
もっと別のところにあることを私は知っています。

10時間の勉強に耐えられる子って、
みなさんの周りにいますか?

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