変わる受験産業1:予備校と塾「境界」越え連携
読売10月24日朝刊
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20141024-OYT8T50033.html
・横浜市のQゼミで
代ゼミサテライン予備校の授業を受ける
高3生様子
・代ゼミはSAPIXに力を入れ、
大学現役合格での実績を目指す
・代ゼミ関係者は、
「浪人生と違って現役生は
高校生活で忙しく、
代ゼミが得意な
都心の大教室での一斉授業より、
近くの塾での
個別少人数授業が求められた」
と語る
・東進ハイスクールを運営する
ナガセは
06年、四谷大塚を買収
・河合塾は
08年、
日能研と
合弁会社「日能研東海」を設立
・駿台予備学校を運営する
駿河台学園は
昨秋、「駿台・浜学園」を開校
小1から教え、
「ノウハウを集約し、
圧倒的な存在感を目指す」
とする
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27校舎中20校舎を閉鎖する代ゼミ、
254校のうち17校を閉鎖する秀英と、
業界の淘汰・再編を元にした記事ですね。
ナガセが
四谷大塚を買収したころから
こういったことはすでに起きていましたが、
こうなったときに、
客の立場で考えておかなければいけない点が
あります。
一般企業でも
買収や合併が起こると、
ポストが減ったり、
企業文化が違ったりで
なかなかうまくいかないことが多い
と聞きますが、
予備校や塾の場合だと、
先生の離脱が起きます。
集団指導の場合、
塾や予備校を選ぶポイントは1点、
講師の力量のみです。
集団の生徒がわかりやすい解説をし、
多くの生徒を引きつけて
やる気をださせるためには、
それ相応の力量が必要となります。
だから
集団指導の塾・予備校を選ぶポイントは、
講師のみ
といってもいいくらいです。
ただ、
そういう力のある先生には
いい意味でカリスマ性や、
悪い意味での癖もあります。
つまり、
買収・合併となって、
親会社が新しくなったり
方向性が変わることに対して、
強く反発する存在ともなりえます。
しかも
独立して
個人塾を立ち上げても
充分生徒はあつまります。
講師の力量はあるからです。
逆に
もといた塾や予備校は、
買収・合併によって
規模が大きくなりますから、
講師一人ひとりの力量任せではなく、
ある程度
全体のサービス維持をするため、
マニュアル指導が
必要となります。
どんな人でも
授業ができるようにするわけです。
マクドナルドのような
全国どこでも同じサービス、
を目指すことになります。
だから
先生は素人だったり大学生だったりでも、
ある程度回せるようになります。
次第に、
先生の色やとんがった部分は
なくなっていきます。
実際、
早稲アカがナガセに
買収攻勢をかけられた時、
SAPIXが代ゼミに買収された時、
古くは市進なども、
中心となっていた
カリスマ講師といわれる人たちが
どんどん抜けています。
授業中に独自のプリントが使えないとか、
指導の様子をビデオで録画して指導されるとか、
中には
授業中にいうギャグまでマニュアルに書いてある塾
もあります。
そうまでしてでも
サービスの均一化を図っているわけです。
経営上はわかる話なのですが、
集団指導の肝は
講師の力量ということを考えると、
色のある先生が離れていってしまっては、
ブランド名は同じまま残っていても、
塾としての力量は
落ちていくことになります。
SAPIXの先生がこぞって集まった
グノーブルの中学受験部なんて、
まさにその典型ですね。
5000人いる生徒が徐々に気づき始めると、
SAPIXの優位性も崩れていくはずです。
もともとは1000人のいない、
超エリート塾だったのに、
今では誰でも彼でも通う塾に
なってしまいました。
だから
塾や予備校の選び方は、
大手を選ぶなら
人気講師の授業をとりあえず受けてみて
いい人を探す、
または、
大手できちんと実績をつくった講師がやっている
個人塾を探す、
というのが正しいですね。
個人塾は
探すのが大変ですが、
力量がある講師が
こじんまりとやっているなら
探す価値はあります。